伐採からの家づくり・福島県下郷町T様邸 『弊社の乾燥機を見学』
弊社の乾燥機は長さ12m×幅3m×高さ4.2m、約30㎥の製品材を乾燥できる木材乾燥機です。
『製品材の約30㎥ってどのくらい?』っていっても、体積の単位で表されると、なかなかイメージがつかないですよね…
そこで在来工法の家1軒の家ってどのくらい木材を使用するのか、先輩に教えてもらい私なりにまとめてみました。
簡単に計算する方法を教えてもらったので図で説明します。
在来工法では、とりあえず2.5石という数字を坪数にかけると製品材の石数がでるそうです。
石(こく)は昔ながらの木材屋が使う単位で、体積で表すと1石=約0.27㎥(りゅうべい)なので、
例)30坪の家
30坪×2.5石=75石
75石×0.27㎥=20.25㎥
すなわち30坪の家なら20.25㎥の加工された木材を使用するということになるのです。
つまり弊社の木材乾燥機は、一般的に多い35坪の家の一軒分の材料を1度で人工乾燥できる乾燥機ということ。(これは芳賀沼の強み?!)
現代の木造住宅は、コスト面やプレカット加工技術、建築材料の発達で昔の住宅に比べて木材の使用量が減少しているそうです。
あえてその木材をふんだんに使った自然素材を感じる家づくりができるのは、製材加工・乾燥できる製材場も兼ね揃えた工務店の特権なのかなと思いました。
これなら、今ある家の前に植えてあるケヤキを新しい家の框に‥なーんていう夢も実現可能ですね!(^^)
さて、1月18日金曜日に、木材乾燥機へT様の材料を入れました。
以前の記事(2011年3月9日)で乾燥機の仕組みを紹介しましたが、新しいこの乾燥機では、蒸射(=約120度の蒸気にかける作業)を五日間行いました。この蒸射により、大量のスチームで原木が蒸されて応力抜き(=木のねじれを減少)をしたり、ヤニ抜きをします。
蒸射後、乾燥機内の蒸気を止めまして、約1週間ほど温度を保ちまして材料を乾燥させました。
25日、乾燥状況を見学のためT様ご夫婦が来社。実際に手を触れてもらい、乾燥の仕上がり具合を見てもらいました。
これらの乾燥機にかけた材料は荒削りした木材なので、乾燥機から出しまして木の性質やねじれなどを見ながら、柱や桁、梁などの構造材へ製材加工をします。
工場長に話を聞くと、T様邸では、床板フローリング等も伐採した赤みのきれいな唐松を使い自社加工しますので、造作材料も合わせて4月までに3回に分けて人工乾燥をするそうです。
ひと冬かけて、材料を選別するT様邸。人工乾燥が終えた材料より、「大型機械で製材加工」から「職人による手キザミ加工」と材料加工へ入ります。
文責 佐々木かおり