大震災後の改修工事 ログハウスの曳家工事1
今回、東日本大震災で被害を受けた、栃木県那須町にお住まいのI様の改修工事の様子をホームページに掲載する許可を戴きましたので数回に分け報告レポートをしたいと思います。
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―ログハウスの曳家工事1 「曳家(ひきや)工事に至るまでの経緯」―
I様邸は平成3年に施工し、築21年の丸太積みのログハウスです。昨年3月11日の被災後のI様にご連絡をとり、3/15にI様と一緒に被害状況を確認しました。
I様邸では、内部の家具がすべて倒れまして、サッシが外れてガラスも粉々に割れ、部屋の中を歩くことができない状態でした。また丸太の階段が上に持ち上げられ外れてましたので、基礎ごと上下に持ちあがるように強く揺れたのだと分かる被害状況でした。
それにしても震源地から離れた那須町にお住まいのI様邸の被害が大きいのか‥被害の要因となったのは、I様のお住まいの地域にちょうど活断層があったことでした。
下の写真をみてわかるように周辺の道路には、地面に亀裂が入っているところが多々あり、周辺住宅をみると半壊の住宅がありましたので地域全体が被害を受けたようです。
(3/15写真、I様邸に向かって断層が走っていることを確認)
(デッキ下の写真、地面に亀裂が走っている)
被害の状況を目の当たりにして、震災当日、I様が留守で無事だったことが本当に幸いでした。
住み心地のよかった同じログに住みたいというI様からのご希望をお聞きし、予算との相談をしながら、どうにか元の建物に戻せないかということで1年間の時間をかけてI様と協議しました。
そして今年4月、ログハウスづくりをして30年の弊社ですが全国的にも前例はないと思います、
建築物をそのままの状態で移動させる建築工法=『ログハウスの曳家(ひきや)工事』を試みることになりました。
(ログハウスの曳家工事2につづく‥)