大震災後の改修工事 ログハウスの曳家工事2
今回、東日本大震災で被害を受けた、栃木県那須町にお住まいのI様の改修工事の様子をホームページに掲載する許可を戴きましたので数回に分け報告レポートをしたいと思います。
*
―ログハウスの曳家(ひきや)工事2 「土・基礎工事と解体工事」―
曳家とは、おもに歴史的な建造物や既存の建物をそのままの形で保存、または建築物を解体せずに別の場所へ移動する場合に用いられる建築工法をいいます。
那須町のI様邸では丸太組工法で外壁となる丸太の構造材がそのまま残った状態でしたので、今回の曳家工事で改築するという工法を選びました。
まずは敷地の選定です。
I様と話し合いのもと、もともと物置小屋のあった母屋隣の敷地を整地して基礎を打設します。
(施工前 母屋脇の土地)
総体的に一定の深さ、幅を確保しながら順に伐根作業を始めまして、土の場外処分、埋め戻し作業を行います。
地盤の補強のため木杭を打ち込む作業へ、計24本の打ち込みが完了しました。
防湿が目的の土間シートを張り、鉄筋のピッチは150mm間隔で配筋作業を行いました。
そして型枠を組み、ベースとなるコンクリートを打設します。
コンクリートを流し数日間の養生経て、型枠を外す。新設基礎の完成。
尚、基礎工事と同時に、建物の一部解体工事が行われました。
床板を外し、大引きや根太など下地材をすべて取り外す様子。外部ベランダも解体を行いました。
また上の写真は曳家工事の障害となる木をチェーンソーで伐採です。木の上部の枝切り後、根元に受堀の切れ込みを入れる職人の星さん。
新設基礎が整いましたので、いよいよ既存基礎から建物を動かす準備に入ります。
(ログハウスの曳家工事3につづく‥)