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芳賀沼製作研修日誌 「乾燥機はスチームサウナ?」

2011年3月9日 10:20 AM カテゴリ: レポート from 南会津の工場

昨日は晴天。午前中の乾燥室の様子です。

おととい、Y様ログハウスの丸太の赤松を乾燥機に入れたのですが、

昨日、乾燥室にはじめて入ってきました。乾燥ってなんだろう?根本的な仕組みが分かっていなかったので、社長と工場長に乾燥機をみながらのレクチャーをお願いしました。

*

まず乾燥機の種類からです。乾燥機の種類は大きく4つにわかれるそうです。

【熱源の利用法】

直接加熱式(燻煙式・完全燃焼ガス)

間接加熱式(蒸気式・焰道式)

【空気の循環法】

自然循環式(自然換気式、自然対流式)

強制循環式(外部送風式、内部送風式)

乾燥機の種類だけでもこんなにあるのかと思ったのですが、芳賀沼の乾燥機は、間接加熱式の蒸気式らしいです。

蒸気式とは、ボイラーで発生した蒸気をヒーターに送って乾燥室内を加温する方法です。

ボイラーを回す燃料の経費がかかってしまうので、乾燥経費が割高になってしまうと聞いたのですが、

製材加工、乾燥まで行う工務店はなかなかないので時間をかけて素材づくりをしているんだなと思いました。

*

(乾燥室のエントツから蒸気がでてます。外に蒸気を出しているのかな?)

「すごーい、煙がもくもくだ」と思いながら、乾燥室裏側の様子をみせてもらいました。

(熱風と独特な木の香りがします。)

ドアへ手を伸ばすと熱風で驚いたのですが、

原木が入っているボックス部屋の中で、蒸気がまわっているそうです。

蒸気を入れることを「蒸射」というそうで、室内の温度は90℃にも達しているんだとか。

(ここで温度や乾燥室の状態を数値でみる。)

(蒸気でいっぱいの乾燥室内をみる社長。)

乾燥機のなかの大量のスチームによって、原木が蒸されて応力抜き(=木のねじれを減少)をしたり、ヤニ抜きをするそうです。

24時間の蒸射を終えた午後には、乾燥室脇にあるバルブを開けて乾燥室に溜まった水(木酢液;もくさくえき)を出しました。

赤褐色の液体が木酢液。蒸気と木の中からでる水分らしいです。

人がサウナに入ると、スチームで蒸されて汗をかいて体の内側からきれいになるように、原木もこの乾燥機のなかで体調を整えているんだなと思いました。

乾燥から出した原木は5mmくらい縮んでスマートになって出てくると聞き、「ここに入ればやせれるぞー」と笑いながら言う社長と工場長に「もう!」と笑いながら怒ってしまった私です(^^)

このあとは、蒸気を出すのをとめて、最低2週間は90℃で温度保って木を乾燥させるそうです。

乾燥機の仕組みをちょっと知れて得した気分でした。乾燥の仕上がりがどうなるか楽しみです。

文責 佐々木 かおり

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