植木夫妻の家づくり日記 後編 「1月 神主さん来る!&国分さんの畑で焚火パーティー」
■黒沼神社の神主さん来る!
12月に福島に来た時はさほど寒さは厳しくなかったが、年末に「大寒波」が訪れた。東和地区に移住した関元弘さんのブログに、「カマキリが昨年より数十センチも高いところに卵を産んだ。この冬は寒いだろう」と予言した通りの厳冬となった。
会津では急な積雪で車が2日間立ち往生をするなど、各地で豪雪を記録した。
中通りはさすがに積雪はあまりなかったようだが、1月20日の夜半、福島に到着すると道路脇には雪が積もり、家の庭と駐車場も真っ白だった。玄関までのアプローチの雪を踏みながら家に入る。家の中は冷え切っていて、ストーブを点けても中々暖まらない。その夜はかなり寒い思いをしてふとんにもぐり混んだ。
翌朝もかなり冷え込み、布団の中でも寒さが感じられるくらいだで、起きると薪ストーブをガンガン燃やした。朝食を終えると、年越しの課題となった神棚のお札の件について、さっそく松川町金沢の黒沼神社に連絡をとり、購入をしに出かけた。社務所を訪ねると、宮司の半沢さんという方が不思議そうな顔をして出迎えてくれた。
神棚を設置したことをお話しすると、社務所に招き入れてくれて、「年始のお参りもなだなら、できたら祝詞をあげた方がいい」とアドバイスをいただき、午前中宮司さんの予定が空いているので、私たちの家まで来てくれこととなった。
黒沼神社はけっこう由緒ある古い神社で、拝殿や覆屋などの建物も趣がある。
特にこの神社を有名にしているのが「金沢 羽山ごもり」の神事だ。これは東北地方によくみられる山間部の「羽山信仰」を取り入れ、厳しい修練行事を行い、農耕の五穀豊穣を願った行事だとか。
12月の下旬に、厳冬の中、数十人の男性が家族と離れ、「こもりや」に籠る。朝夕に「しめ井戸」で水垢離をとり身体を清め、一日二食の別火生活を送る。
最後の日、真夜中に羽山に登り、五穀の吉凶から一年間の気象、災難等々を占う神事。千数百年の間、農民が神の託宣により予知行事をおこなう祭事として、原形に近い様式で伝承されており、国指定重要無形民俗文化財に指定されている。けっこう遠方から見学しにくる人も多い。
そうした由緒ある神社の宮司に祝詞をあげていただくのも、いいと思い急遽、お祓いをお願いした。
お酒と祝儀袋を購入していったん家の戻り、改めて神主さんを迎えに行き、美郷の家に来ていただいた。
神棚の前にテーブルを置き、三方に野菜・米・塩・昆布・酒・水・果物(みかん)のお供物を載せて供えた。
神主さんが祝詞をあげ、私たちも玉串を献ずる。神棚には榊をあげ、大国主神・言代神と、年神様を祭り、神棚の三社のうち真ん中にお伊勢様を、右に氏神の黒沼神社の札を納めて儀式は終了した。私たち夫婦は信心深いわけではないが、こうした儀式を行うと、なんとな厳粛な気持ちになるから不思議だ。
その後、神主さんが家の各部屋にお浄めの塩をまいて廻った。2階に昇り、柱や梁を見た神主さんは、思わず「いい家を建てられましたね」と感嘆の声をあげた。
薪ストーブにも深く関心を持たれたようだ、家に関しても私たちと同じような考え方をもっていらっしゃるようで、自然や環境にも詳しく博識な方だという印象だった。■竹を使った焚火パーティー
午後、買い物をで出かけ、国分さん宅に立ち寄ってみると、ちょうと竹林で竹の間伐を行っていたところだった。時間もあったので、伐採を手伝うこととなった。伐採した竹は竹チップにして竹林に撒く。淡いグリーンの絨毯を敷きつめたようにきれいになった。翌日は国分さんの畑で、「夢未来塾」のイベントが開催された。田口さんを中心に。夢未来塾の会員で、国分さんの畑に花を種を撒いて花畑を制作する「すまいるりーす」活動をされている片平さんをはじめ、活動を応援している地元の方たちや福島大の学生など多彩な人たちが20人ほど集まった。
時折風花の粉雪が散る寒さの中、焚火を炊きながら竹筒でご飯を炊き、酒を温め、また焚火を利用しての「ローストチキン」や「鯛の塩釜焼き」などの、かなり豪勢なアウトドア料理を参加者全員で楽しんだ。
イベント後、時間のある人たちが片平さん宅に向かい、お互いを紹介しあい、お茶を飲みながら親交を深める。けっこうユニークな人もいて面白い会合となった。この時、妻の隣に座った福島大でボランティア活動をしている女子学生菅野愛さんから後日、メールをもらう。「また国分さんの畑で会おう」ということになった。地元の福島大生と交流もいいかもしれない。
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実は1月に入って、9年目の軽自動車がついに調子がおかしくなり、車を買い替えること……。次回、福島に来るときは新しい車になるのだが、前に使っていたスタッドレスのタイヤを国分さんに譲ることにした。
はたして2月はどれくらいの寒さなのだろうか。